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貴景勝、大関昇進も… 影を落とした「貴の字」アレルギー (1/3ページ)

 大相撲の関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=の大関昇進が、事実上決まった。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が春場所千秋楽の24日、昇進を審議する臨時理事会の開催を明言。過去に理事会で昇進が見送られた例はない。もっとも、ここに至るまでの経緯は意外な“難産”で、決して一筋縄ではいかなかった。

 千秋楽は7勝7敗でカド番の大関栃ノ心(31)=春日野=と対戦。わずか4秒で押し出し、10勝目を挙げた。在位5場所で陥落となった栃ノ心との“大関入れ替え戦”を制した格好だが、取組前はたとえ勝っても昇進は微妙な雰囲気で、審判部の阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は昼の三賞選考委員会終了後、「最後まで見ないと」と何度も繰り返した。

 普通、横綱でも大関でも昇進が近づくと、それらしいムードが場所中の役員室や審判部に充満するが、今場所は違った。

 一因は右肩下がりの成績にある。貴景勝は優勝した昨年九州場所が13勝、先場所が11勝。「普通は10勝、11勝、13勝という風に右肩上がりで盛り上がって昇進する。逆に13、11、10ときているから、来場所は9勝かということになる」とある親方は懸念を口にした。

 さらに、相撲協会を相手に反旗を翻し、最後は矢尽き刀折れて退職した元貴乃花親方(46)=元横綱=のまな弟子であることも影を落としていた。

 「貴景勝にはまったく罪はないが、『貴』の字に対するアレルギー反応が一部協会員にはある。だから10勝では物足りない、もう1場所…という意見も出た」と前出の親方は証言する。