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【桂春蝶の蝶々発止。】イチロー選手は聖人や! 人間の闇すら変えた「結果と記録」 (1/2ページ)

 先日、今年のアカデミー賞の最優秀作品賞に輝いた映画「グリーンブック」を見ました。実話から生まれた感動のバディ・ムービー(=主人公が二人一組で活躍する映画)です。1962年、大ざっぱで無教養なイタリア系用心棒と、孤高の天才黒人ピアニストが、黒人差別が色濃く残る米国南部への演奏ツアーに出る話です。

 映画では、実在したピアニスト、ドナルド・シャーリーが行く先々で信じられない差別に遭遇します。宿泊するホテルは限られ、店で買い物もできない。トイレも使えない。高級レストランでの演奏会では、何百人もの観客が食事をしているのに、彼だけが断られる。その後、その場で演奏するにも関わらずです。

 私は日本人で、人種差別的なものは、深くは知りません。正直、この映画を見て、かなりのショックを受けました。

 しかし、シャーリーはその怒りをすべてピアノという芸術に「昇華」させていきます。人種差別という最も美しくないモノを、何より美しい芸術に変えていったのです。これは簡単にできることではありませんよね? そこで得られるのは、多くのファンからの喝采と尊敬です。文化の力は人間の闇すら超えてゆく。

 私はこの映画を、先日引退を発表した偉大なる野球選手と重ねながら見ていました。MLBのシーズン最多記録262安打、世界記録の日米通算4367安打、日米通算3604試合出場…。記録については、もう何を言えばいいのか分からないほど。後にも先にも、これほどの選手はもう出てこないでしょう、イチロー選手です。

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