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【編集局から】イチロー選手「神戸は僕にとって特別な街」 震災後の人々勇気づけた“青波打線”

 「神戸は特別な街です、僕にとって」

 米マリナーズのイチロー選手が21日に現役引退を発表。深夜の会見で、私の質問にこう答えてくれました。メジャーでの功績に関する質問が多い中でふと、「その原点はオリックス時代に築いたのでは?」と思い、「今後どう、神戸への恩返しをしますか」と聞いたのです。

 メジャー移籍後もオフの自主トレ拠点を神戸に構えており「彼は今までも散々、恩返しをしているのでは」と私の質問に否定的な意見もありました。それでも、小学6年生だった1995年、阪神・淡路大震災に遭った私自身、神戸市内で修羅場を目の当たりにし特別な思いがあります。

 「復旧」はおろか、「復興」なんて何年先の話になるのか。子供ながらに気がめいるなか、「がんばろうKOBE」のワッペンをユニホームの腕部分に貼った“青波打線”が快進撃を続ける姿に周りの人を含めて、心の底からどれだけ勇気づけられたことか。その中心にいた彼が節目を迎えた今、改めて神戸への思いを自らの言葉で発信してほしかったのです。

 「(神戸で)税金を少しでも払えるように頑張ります!」とウイットに富んだ返答をしてくれたイチロー選手。神戸の街で再会できる日を心待ちにしています。(運動部・山戸英州)