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【神谷光男 スポーツ随想】次の横綱は貴景勝より逸ノ城! 名古屋場所で大関の可能性も

 春場所が終わって力士たちは休む間もなく、3月31日には春巡業が三重・伊勢神宮からスタート。千秋楽の鶴竜戦で右上腕を痛めた横綱白鵬は奉納土俵入りを披露したものの、午後の幕内トーナメント戦には選手宣誓を行ったのみ。14勝1敗で準優勝した逸ノ城(25)は休場した。

 師匠湊親方(元幕内湊富士)によると「ぎっくり腰の症状。回復次第合流する」とかで元々腰痛持ちの上、疲れがドッと出たのかもしれない。

 春場所は西前頭4枚目で、中日に不調の大関栃ノ心に敗れただけ。全勝した白鵬とは当たらないまま終わってしまった。

 「機械的に数えれば確かに白鵬とは対戦圏外だが、優勝を争う2人が対戦しないで終わってしまうスポーツなど他にあるだろうか。審判部の取組編成ミス」と指摘する親方もいる。

 春場所は貴景勝の大関昇進に沸いた。「どんな大関になりたいか」と聞かれ「どんな大関かでなく、もう一つ上がある」と綱狙いをはっきり宣言したが、身長175センチと上背がなく押し一本、四つ相撲は取れないだけに「安定感が求められる横綱としては厳しい」との声も強い。

 むしろ“眠れる巨人”がようやく覚醒した感じの逸ノ城の方が、横綱姿をイメージしやすい。

 実は逸ノ城の成長には元貴乃花親方(元横綱)も関係している。一昨年貴乃花一門が解散し、時津風一門から離脱し無所属の“隠れ貴派”だった湊親方も、どこかの一門に属さなければならなくなり、二所ノ関一門に合流した。それまで稽古相手に恵まれなかった逸ノ城も、多くの関取衆が集まる場所前の一門の連合稽古にいやでも参加せざるを得なくなり、刺激を受けたという。

 夏場所は関脇。春場所の14勝が効いて、2ケタ勝てば名古屋場所で大関とりの可能性も。耳目が貴景勝に集まっているだけに、逸ノ城にとって追いつき追い抜く絶好のチャンスではないか。(作家・神谷光男)

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