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【松本秀夫 プロ野球実況中継】野球実況でもデータは“取捨選択”が重要

 プロ野球はデータ全盛時代。スポーツアナの資料作りも、いまは大概のことをネットで調べられます。かつては、たとえば先発投手対相手打者の成績なんて、過去のスコアをいちいち引っ張り出して足し算をしていたものですが。

 ただしデータの取捨選択は大切。実況中に「西武が勝ちました。これで水曜の連敗が3でストップです」なんてわけのわからないデータを思わず読んでしまうと、顔から火が出ます。

 あるいは先日、西武の本田圭佑投手が4回まで無安打に抑えていたときのこと。某ディレクターが「西武のノーヒットノーランは誰以来か調べて!」と騒ぎ始めたのです。なんぼなんでも早かろうと(笑)

 23日のヤクルト-巨人戦では、巨人の山口俊投手が5回まで無安打ピッチングで少し心がざわつきましたが、データとして紹介するのはやっぱり7回以降でしょうか。

 19日のショウアップナイター、甲子園の阪神-巨人戦では解説の井端弘和さんが面白い話をしてくれました。

 私が「菅野投手は今年初回に失点しているんですね。やはりポイントは立ち上がりでしょうか?」って聞いたときのこと。

 「それってよく言われるんですけど、僕が1、2番を打っていた頃は、むしろ絶対に打たなきゃってプレッシャーでした。立ち上がりが悪いからこの球を打てよっていうデータなら、まだいいんですけど」

 余計なデータはいらないんですね。

 この日の井端さんのコメントをもうひとつ。「菅野投手はたとえ勝ち投手になっても、点を取られてしまうと1週間あまり機嫌がよくないんです(笑)」。こういうデータのほうが100倍面白いです!(フリーアナウンサー・松本秀夫)

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