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【昭和、平成、令和 駆け抜けるキングカズ】三浦知良、初代MVP表彰式で「深紅のタキシード」身にまとった真意 (1/2ページ)

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 日本中を熱狂の渦に巻き込みながら、1993年(平成5年)に産声をあげたJリーグ。初年度に登録された選手の中で、令和を迎えた今もプレーしているのはMF伊東輝悦(44)=当時清水、現J3沼津=と、数々の現役最年長記録を更新中のFW三浦知良(52)しかいない。初代年間王者V川崎から2度の海外挑戦をへて、京都、神戸、そして横浜FCと平成を駆け抜けてきた。

 Jリーグ元年の華やかな記憶をたどれば、中心には必ずカズがいた。ゴール後に華麗に舞ったダンス。りさ子夫人が選んだエルメスのスカーフをキャプテンマークとして左腕に巻き、初代MVPを受賞した表彰式には深紅のタキシードで登壇。全てに意図があった。

 「あの頃は、何とかみんなにサッカーを見てもらいたくてね。サッカーとはどんなものなのかを分かってもらおうと、本当に必死でした」

 誰もが待ち焦がれていたプロ時代の幕開け。V川崎と横浜Mが旧国立競技場で対峙した、93年5月15日の歴史的開幕戦のキックオフ直前には、冬の時代を耐え忍んできたベテラン選手たちが感極まって涙していた。

 当時26歳のカズはスター軍団のV川崎だけでなく、日本代表でもエースを拝命。新時代の寵児として輝きを放ちながら、より大きな関心を集めるために、プレー以外の面で魅せることも忘れなかった。94年夏には日本人で初めてイタリア・セリエAへ移籍。後に続く日本人選手たちに、海外挑戦の扉を開けた。

 「僕の頃はゴールすればメディアで大きく取り上げられましたけど、欧州で活躍する日本人が当たり前になった今は違いますからね。それだけみんなの意識が高まった。すごいことだと思う」

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