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【西本忠成 トラとら虎】阪神、借金6から浮上の原動力は「梅野のリード」 30年ぶり“生え抜き正捕手”に成長

 阪神の梅野隆太郎捕手(27)が、世代交代のリーダー的存在になってきた。首脳陣の1人は「いまや中心選手。ナインの信頼も厚い。一時の借金6から浮上できた要因は、彼の攻守にわたる活躍」と絶賛する。

 昨年ゴールデングラブ賞を獲得した守備に加え、今季は打撃面での成長が光る。10日現在、打率・296は近本に次ぐチーム2位。打順は開幕当初の8番から7、6と上がり、福留の休養日には5番に抜擢されるほど。「打席では捕手の経験を生かし、配球を読みながら対応している。ヒットゾーンが広がった」と球団OBは評価する。

 全試合出場の目標こそ、4月2日・巨人戦での左足薬指骨折で途絶えたが、2試合欠場しただけで戦列復帰したガッツは若手を奮い立たせた。球団幹部は「近本、糸原、大山、木浪と、梅野より年下のレギュラーが増えてきた。ぶざまなことはできないとの自覚がプレー上のプラスになっている」と見る。

 捕手としてのリードでは、ピンチを併殺で切り抜けるケースが目を引く。4月29日の中日戦で青柳が初完封したときは2併殺。5月7日のヤクルト戦で秋山が2勝目を挙げたときは2回の1死満塁を併殺で脱した。「試合中でも投手との会話を欠かさない。常に意見交換するから信頼感が生まれる。併殺が多いのは梅野のリードを信じているから」と先のOBは分析している。

 阪神の生え抜き捕手のレギュラーといえば、日本一に輝いた1985年を含め90年頃まで正捕手を張った木戸までさかのぼる。あれから30年…。梅野は貴重な“虎の子捕手”である。 (スポーツライター・西本忠成)

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