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【編集局から】引退発表の上原浩治氏、思い起こす20年前の“悔し涙”

 異例のシーズン途中での引退発表となった上原浩治氏(44)。あれっ、昔、彼からそんな話を聞いたことがあった気がするなぁと思い、記憶をたどりました。

 上原氏のプロ1年目の1999年当時、筆者は巨人担当。新人ながら20勝を挙げ投手部門のタイトルを総なめにした上原氏ですが、印象的だったのは、中日の優勝が決まった後の10月6日のヤクルト戦で、当時チームメートの松井秀喜氏と本塁打王争いをしていたペタジーニを敬遠するよう首脳陣から命じられ、悔し涙を流しながら4球を投じた場面でした。

 後日、「戦略的に必要な敬遠は僕だって賛成です。でも、あの場面は違う」とまだ怒っていて、こうまくしたてました。

 「優勝が決まった時点で、ペナントレースは終了すべきだと思います。その時点で各部門のトップにいる人がタイトルを取ったらいい。消化試合なんてものがあるから、醜いタイトル争いが起こるんですよ」

 そうなれば、優勝決定時点で各チームの試合数が違い、2位以下の順位争いに不公平が生じる可能性が高いですが、「全選手が優勝を目指してやっているのだから、いいやないですか」と言い切りました。優勝チームが決まったらシーズンは終わり、限界を悟ったら即引退。潔すぎるほどの男でした。(運動部・宮脇広久)