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【艇王・植木通彦 不死鳥伝説】「多様性豊かな社会の中で、後れをとってはいないか」 リセット必要と感じイギリスへ (1/2ページ)

★イギリスでリセット(上)

 2007年7月の引退直後、私はイギリスへ小旅行に行くことにしました。これは後にわかってきたことですが、第2のステージに進むためには、一度、自分を冷静に見つめ直し、リセットする必要があると考えていました。そこでイギリスに行ってみようという気持ちになったのです。

 いっしょに行ったのは輸入家具のお店の方でした。私はテーブルなどの家具を購入し、納品に自宅に来られた際にいろいろお話しする中で、これからイギリスにステンドグラスを買い付けに行くとおっしゃったのです。私は今の自分に必要なのはこれだと思い、ぜひとも連れて行ってくれるようにお願いしたのです。

 妻も快く賛成してくれてトントン拍子で実現しました。レーサー時代も引退してからも十分家族との時間も取れていないのに、快く送り出してくれた妻には感謝です。頭が上がりません。

 レーサー時代、家族で何度か海外に行きましたが、ヨーロッパは初めてでした。イギリスには古い歴史があるので興味を持っていました。地方で歴史あるステンドグラスを探しに行くとのことでしたので、帰国前にロンドンに宿泊した以外は、すべて地方に滞在しました。ステンドグラスも今までゆっくり見たことがありませんでしたので、時代によって色や模様の屈折具合など、全く違う美しさがあるものだと、魅了されました。

 約20年間のボートレーサー時代には、常に勝つことを宿命と思い、1分1秒を勝つことに関連づけて生活を送っていました。その影響でしょうか、よくレースに間に合わない夢を見たものです。対戦メンバーはみんな出走ピットで出走を知らせるランプ点灯を今か今かと待っているのに、私だけなぜか離れたところにいて、急いで向かっているけどなかなかたどり着けないという夢をよく見ました。それほど緊張して20年間を過ごしていたのでしょう。1度くらいレースで優勝したかっこいい夢を見たかったのですが、一度もありませんでした。

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