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【怪物の名産地 岩手の謎】雄星に大谷や佐々木…なぜ岩手が剛腕を生むのか 保護者の理解、高い野球熱 前岩手県高野連理事長に聞く (1/3ページ)

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 菊池雄星(27)=米大リーグ・マリナーズ、大谷翔平(24)=同エンゼルス、そして高校野球史上最速の163キロを計測し、早くも日本ハムが今秋ドラフトでの1位指名を明言した佐々木朗希(17)=大船渡高3年。この10年で岩手県から2人のメジャーリーガーが誕生し、さらにまた1人、球史に名を残すであろう剛腕が輩出されたのはなぜか。関係者の証言から、偶然と必然をひもといていく。まずは、岩手県高野連前理事長で現・県立水沢高野球部監督の佐々木明志氏(55)に聞いた。(片岡将)

 昨年、大谷が日本ハムから海を渡り、花巻東高の先輩でもある菊池が後を追った。日本を代表する左右の剛腕として名をはせた2人に続いて、今度は17歳にして“令和の怪物”の異名を取る佐々木朗希が出現した。この3人が同じ県から出たことに、何らかの理由を求めたくなるのは人情というものだろう。

 「本当に最近、よく聞かれるようになったんですよ。『なんで岩手からこんなにすごいピッチャーが続けて出てくるのか』って。でも、そのたびに『何でなんですかねえ…』とか要領を得ない答えを返すしかなくて」

 昨年来幾度となく投げかけられた質問を、東京から来た記者にまたもぶつけられ、佐々木監督はそう苦笑いする。

 「それこそ、たまたまとしか言えないかもしれない。スピードボールを投げられるあれだけのサイズがあって、さらに柔軟性を持ちつつ、あの大きな体を器用に動かせるというのは、親御さんから受け継いだ遺伝もあるでしょうから…」

 佐々木監督は早大野球部出身で、県立高田高や母校の県立水沢高の監督を歴任。今年3月まで岩手県高野連で理事長を務め、今年の新学期から水沢高に再び赴任した。昨秋のU-18アジア選手権では日本代表の総務としてチームの運営をサポートした経験を持つ。県内外のアマ野球に精通した指導者にとっても、岩手から剛腕が続出することへの理由付けは、答えの見つからない難問だ。

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