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【長州力 革命の真実】長州力“噛ませ犬発言”の裏にあったエリートの苦悩 37年前、藤波と遺恨のゴング (1/3ページ)

 プロレスラー、長州力(67)が26日に東京・後楽園ホールで行われる「POWER HALL 2019~New Journey Begins」で引退する。伝説的なプロレス記者として取材を続けてきた柴田惣一氏(60)が、その現役生活の表と裏を書き尽くす。長州がスターダムにのし上がるきっかけとなったのは、37年前の1982年、後楽園ホールで藤波辰巳(現・辰爾)に反旗を翻した瞬間だった。

 悲鳴が飛び交う「聖地」後楽園ホール。「革命戦士」長州力が誕生した82年10月8日は、いわば「革命記念日」だが、歓声と拍手に包まれたとは言い難かった。

 タッグマッチで、味方の藤波からのタッチを拒否し、2人でもみ合うなどした長州は試合終了後、マイクをつかんで何やらアピール。ところが、雑音と怒号が重なり、何を言っているのか、正直聞き取れない。「プロレスラーは滑舌が悪い」の走りだった。

 「俺はお前の“噛ませ犬”じゃないぞ!」

 長州が発したとされる日本プロレス史を飾る名言は、その時現場にいた者には実感がない。現在定着しているイメージとは逆で、藤波は会社に推されたエリートではなかった。エリート待遇だったのは、長州の方だ。

 アマレスで72年ミュンヘン五輪出場という輝かしい実績をひっさげ、74年、日大講堂でエル・グレコを相手に華々しくデビュー。1年前にジャンボ鶴田をジャイアント馬場率いる全日本プロレスにさらわれた、アントニオ猪木の新日本プロレスにとって、「アマレスエリート」吉田光雄(長州の本名)の獲得は悲願だった。新人なのに、前座ではなく上位のカードに組み込まれた。

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