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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】イニエスタを見るなら今! 瞬時の判断で繰り出した「美しい弓矢」

 やっぱり、イニエスタ(35)=神戸=はすごい。なんて言ったら、「水沼さん、いまさら何ですか」と笑われそうですね。それにしても、J1第17節(6月30日・対名古屋=ノエスタ)。1-1で迎えた後半18分に決めたゴールにはしびれました。右足でのコントロールショットによるこの得点は、欧州メディアが『美しい弓矢』と見出しを付けて報じたほどです。

 まず、相手GKランゲラック(豪州代表)がパンチングでクリアしたボールが、ペナルティーエリア手前のゴールほぼ正面の位置にこぼれます。これをイニエスタが拾うと、相手MF米本がイニエスタの左側から滑り込んできてシュートコースを消してきました。普通の選手なら、米本にぶつけるようにしてシュートを打つという単純な判断しか間に合わないところです。

 しかし、イニエスタは違う。瞬時の判断力で米本が通り過ぎるのを待つようにして逆を突き、右足をコンパクトに振り抜いて、ゴール左上にほうり込んだのです。これは本当にイニエスタにしかできないプレーです。

 相手GKランゲラックも実力者だけに、「イニエスタなら狙ってきそうだ」とこちらも瞬時の判断でシュートコースを読み、左手ではじき出そうとしましたが、これがまたギリギリでGKの手をかいくぐるスピードのシュートだったんですよ。バルセロナで毎試合出場していたときのプレーに近い流れ。Jリーグでそれを見られる幸福感に浸りました。

 イニエスタはこの試合で、後半24分にもPKを決め、5-3での勝利に貢献。

 ドイツ人のフィンク監督(51)に代わってから、イニエスタのポジションはボランチより少し下がり目になりました。そこからじっくりゲームを作ることができるようになり、“らしさ復活”。イニエスタをナマで見に行くなら、今ですよ!(元J1横浜監督・水沼貴史)

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