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高安、左肘痛め“右一本”の苦闘 稀勢の里と同じ上腕二頭筋負傷か

 ■大相撲名古屋場所9日目=15日、ドルフィンズアリーナ

 まったく左は使えなかった。右からかち上げた大関高安が、右を差して一気に出ていったが、土俵際で正代に回り込まれ、逆転の突き落しを食った。支度部屋では無言を貫き、苦しい胸の内がのぞいた。

 前日の玉鷲戦では立ち合いから左を差しにいったが、差せずに突き合いになり、何とか左を指した瞬間、玉鷲に左肘をきめられ、小手に振られた際、不自然に曲がった。

 その後は左を使えず、右から攻めて何とか押し倒したが、左肘を抑え痛みに顔がゆがんだ。大関2場所目の貴景勝が初日から休場し、復帰を果たした栃ノ心、さらには豪栄道と相次いで休場。高安は昨年夏場所全休し、豪栄道も途中休場したため59年ぶりに大関不在(当時は2大関)の記録を作ったが、4大関休場となると史上初の異常事態になるところだった。

 この朝、名古屋市西区の田子ノ浦部屋の稽古場には多くの報道陣が集まった。若い衆とは左をまったく使わず、右を差して一気に出る稽古を繰り返した。病院にも行かなかったそうで「大丈夫。休むなんて考えてもいなかった。集中してやれることをしっかりやるだけ」と自らを鼓舞するように話した。

 しかし、結果は裏目に出た。藤島審判副部長(元大関武双山)は「上腕二頭筋が切れているかもしれない。相当悪そうだ。本来なら休場かもしれないが、他の大関が休んでいて休みづらい。中日で7勝しているし、動けるところまで動こうと土俵に上がったのだろう。相撲自体は気迫があった」と評した。

 上腕二頭筋といえば兄弟子稀勢の里を思い出す。新横綱の一昨年春場所、13日目の日馬富士戦で痛めながら強行出場。千秋楽に照ノ富士を優勝決定戦で下し日本中に感動を与えたが、その後8場所連続休場など代償はあまりにも大きかった。

 「やる以上目いっぱいやってほしい半面、無理をしてこれ以上悪化させないことが肝心だ」と藤島親方。あと6日。高安の右一本の戦いが続く。

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