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【清水満 SPORTS BAR】MLB球宴の奪三振ショーで思い出す…35年前、江川卓さんの“最後のカーブ” (2/2ページ)

 「思い切って振ってくる打者なら(速球で)空振りを取れる自信もあったけど、大石君は粘っこくコツンと当てるタイプ。あの時、確かに直球に2球とも反応しなかった。もしかしたらカーブを狙っているかもと…」

 そして決断。

 「じゃあ裏の裏をかいてカーブをボールにしてやろうって。中尾君(中日・捕手)のサインも僕の判断と同じ。だけど、どこか欲が出たのかもしれないですね。ボールを手から離す瞬間、カーブでも三振取れるかも…って甘く入ってしまった」

 怪物といわれた男は最後で詰めの甘さを露呈したが、「でも僕らしいでしょ?」とも。そういえば素顔は茶目っ気たっぷり。一時テニスに興じたとき、ネット際の“フェイント”、ドロップショットを見せたり、マージャンでは“引っかけ”など奇策を楽しんでいた。

 記録より記憶!? 大舞台で魅せた江川流の“洒落っ気”!? 現在、野球解説でもユーモアあふれる独自視点が好評だが、ここが原点なのかも…。(産経新聞特別記者・清水満)

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