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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】FW・前田大然、東京五輪に向けポルトガルで武者修行! タフさ兼ね備えたスプリント

 東京五輪まで、あと1年を切りました。地元開催の五輪です。サッカー日本代表もメダル獲得がノルマになります。

 私が注目している五輪代表のストライカーが、前田大然(21)。今月21日、所属しているJ1松本からポルトガル1部リーグ・マリティモへのレンタル移籍が決まりました。東京五輪にむけた武者修行です。

 本人は自分の売りを「スピード」と言います。その通りだと思います。とにかく速い。でもそれ以上に、彼のすごさは「スプリントの回数」にあります。Jリーグでは時速24キロ以上を1秒以上継続することを「スプリント」と規定していますが、今季J1の1試合におけるスプリント回数では、なんと1-4位までをこの前田が独占しているんですよ。最多は53回でした。

 スピードのあるFWは、これまでの日本代表にもいました。しかし、これほどタフネスを兼ね備えたFWはいませんでした。90分間の試合中、2分に1回ダッシュする計算になります。なかなかできることではありません。

 加えて「守備」もいい。よくFWが守備をするなんてといわれることがありますが、前線でボールを追いかけ、追い込めばチーム全体が楽になる。それを実践するためには、転んでもすぐ起き上がるメンタルが重要です。大阪生まれで山梨の高校に越境入学し、リーグ戦で得点王になりプロ入りを勝ち取った“雑草系FW”でもあります。

 技術面も、今月20日のJ1第20節・広島戦で相手DFの股抜きで決めたゴールはお見事でした。ポルトガルでの武者修行が成功すれば、東京五輪エースFWとしてピッチにたてる男です。(元J1横浜監督・水沼貴史)

 ■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。