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【福島良一 メジャーの旅】ヤンキース・田中将大、6年連続2ケタ勝利達成「大きな意義」

 ヤンキースの田中将大投手が日本人初の6年連続2ケタ勝利を達成。日本人最多の7度、10勝以上を挙げた野茂英雄でさえ達成できなかった記録だ。それを名門チーム一筋で成し遂げたことに大きな意義がある。

 ヤ軍といえば、ワールドシリーズ優勝27回を誇る常勝軍団。常に熱狂的ファンから結果を求められ、それだけに実力はもちろん、類まれな精神力がなければ務まらない。

 過去にデビュー以来6年連続2ケタ勝利したのは左腕アンディ・ペティットだけだ。

 日本人投手では、1997年ヤ軍入りの伊良部秀輝が鮮烈デビューし、翌年から2年連続10勝以上。一方で、乱暴な振舞いから批判を招き、当時のオーナーも「太ったヒキガエル」と激怒。僅か3年で憧れのチームをほうり出された。2007年に阪神から5年約30億円で契約した井川慶はたった2勝で終わり。地元メディアに「最大の失敗例」と報じられた。

 そんな中、日本人の評価を覆したのが黒田博樹だった。10年からドジャース、ヤ軍で5年連続2ケタ勝利。当時の日本人記録更新も狙えたが、15年に米球団からの巨額契約を断り、8年ぶり古巣広島に復帰。その“男気”も称賛された。

 ヤ軍・黒田の最終年となった14年に楽天から田中が入団。チームの同僚として1年を共に過ごし、日米の違いなど先輩から多くの助言を受けた。そのおかげで1年目の右肘故障も克服し、6年連続10勝以上という大投手へ成長を遂げた。

 最強の精神力を持つ田中なら「もっと長く勝ち続けている人たちもいる」と先を見据えたように、メジャー通算256勝を誇るペティットの9年を抜く10年連続2ケタ勝利もきっと狙える。(大リーグ評論家・福島良一)

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