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日本を救ったTB松島のスピードと必殺オフロードパス! ラグビーW杯

 試合開始直後にミスで先制を許した嫌な雰囲気を一変させたのは、快足TB松島のスピードだった。素早い展開から2トライで逆転して折り返し、後半にも3本目のトライを決めた。日本選手としてはW杯で初の1試合3トライだった。

 「トライはみんながつないでくれて取れた。ワンチームでできた。声援はみんなの原動力になった。このまま勢いをつけて次の試合も勝ちにいきたい」

 前半11分に最初のトライを決めた後、同34分にもゴールライン内に手を伸ばしたが、TMO(ビデオ判定)の結果、ノックオンと判定されてトライが認められなかった。しかし、その4分後に2つ目のトライを決め、ロシアに番狂わせを許さなかった。

 松島は「3トライ取る」と試合前にうそぶいていたそうで、このエピソードを18日の会見でCTB中村が公開していた。松島の3トライは有言実行だったことになる。

 ただ、松島自身が言うように、このトライ連発は日本代表が新たに取り組んできた戦術が生み出したものだっともいえる。タックルを受けてバランスを崩したとき、そのまま倒れてボールをキープして味方につなぐ安全策ではなく、倒れながらイチかバチかのパスを出す「オフロードパス」を積極的に取り入れた。

 4年前には見られなかったプレーで、最後の1本のオフロードパスがつながることでトライの確率が上がった。松島に何度もトライのチャンスが生まれたのはこのためだ。

 最初のトライはCTBラファエレが体勢を崩しながらつないだことで生まれた。同38分も、CTB中村のパスが松島につながった。

 基本を重視する日本では、確率の低いオフロードパスはボールを失う危険性があるため、あまり好まれない傾向にあった。しかし、ニュージーランド出身のコーチ陣がチャレンジすることを勧め、このパス技術を高めたことで日本の攻撃力は高まった。

 リスクを取り、トリッキーなパスが通れば、格上のアイルランドやスコットランドからトライを連発できる可能性もある。