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【小林至教授のスポーツ経営学講義】全世界で330兆円規模“スポーツベッティング” 米国で拡大一途も、八百長のリスクは… (1/2ページ)

 昨年5月、米連邦最高裁で、スポーツを対象にしたギャンブル(通称スポーツ・ベッティング)を各州の判断に委ねる判決が下され、事実上解禁になったことについては、本コラムで何度かお伝えしてきた。

 スポーツ・ベッティングの市場(つまり掛け金)はインターポールの調査によれば、裏表合わせて全世界で330兆円。この数字は世界のスポーツ興行(見るスポーツ)市場の総和23兆円の14倍であり、日本のGDPの60%に相当する。そんな異次元の市場に、アメリカのスポーツ産業界がどう向き合っているのか、解禁して1年余りが経過した今の時点で分かってきたことについて、いくつか述べてみたい。

 現時点では、以前から許可されていたラスベガスなど4州に、ニュージャージーなど4州が新たに加わり、今年中にさらに4州が合法になる。2024年までに全50州のうち35-40州が合法になると目されている。

 中心は、スマホで中継を見ながらいつでもどこでもポチっというWatch&Betである。解禁前からギャンブル大国イギリスのブックメーカー(胴元)を通してこっそり横行していたが、大手を振ってできるようになったいま、世界のデジタル・ブックメーカーがアメリカのマーケットに押し寄せている。パフォーム・グループもそのひとつだ。スポーツ・チャンネルのDAZNで試合中継を見ながら、ワンクリックで賭けができる利便性を強みに、近年急速に業績を伸ばしている。

 それをネットテクノロジー最先端のアメリカ企業が迎え撃つ中、なにぶん目の前に広がるのは先に記したように異次元の巨大企業だから、広告合戦もすさまじい。胴元による広告出稿額は、年間8000億円に迫ると目されている。

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