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300億円が水の泡!? 東京五輪「マラソン・競歩」の札幌開催案、開幕まで1年切りIOC方針に大混乱 小池都知事は“寝耳に水” (1/2ページ)

 国際オリンピック委員会(IOC)が16日に突然、東京五輪の暑さ対策として、マラソンと競歩を札幌開催に変更する案の検討に入ったと発表した。五輪開幕まで1年を切ってからIOCが会場変更を提案するのは異例。選手、関係者、チケットを購入している観客の驚きは大きく、大混乱になりつつある。

 “札幌五輪”が提案されたのは、都内より8月の気温が5-6度低いことなどが理由。マラソンは女子が来年8月2日、男子が同9日で、新国立競技場を発着する計画。東京の酷暑が懸念されており、当初予定からスタート時間を前倒しし、男女マラソンは午前6時、競歩の男子50キロは5時半、男女20キロは6時に変更されていた。

 しかし、今月6日に中東カタールのドーハで閉幕した陸上の世界選手権では、深夜スタートのマラソンや競歩でも、高温多湿の条件で棄権者が続出。女子マラソンや男子50キロ競歩でゴールできた選手は、約6割にとどまった。IOCのバッハ会長は「札幌への変更案は懸念を深刻に受け止めている証し」とコメントしている。

 ただ、東京五輪関係者には「寝耳に水」と戸惑いは大きい。道路には遮熱性の高い舗装の導入も進められ、約300億円をかけた暑さ対策を進めてきたからだ。日よけテント、大型冷風機、ミストシャワー設置、観客への扇子や冷却保冷剤の配布案などの対策がすべて無駄になる。小池百合子知事は「唐突な形。このような進め方は多くの課題を残す」と遺憾を表明した。

 すでに観戦チケットも販売されている。東京でマラソンを見ることを楽しみにしていた観客が、そのまま札幌へ移動して観戦するのは無理があり、払い戻しや再販売ということになれば不満も出る。女子が行われる8月2日は男子400メートル予選など他種目も行われるため、払い戻しは複雑な手続きになる。

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