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【江尻良文の快説・怪説】監督交代は3球団だけなのに…コーチ陣“大量入れ替え”のナゼ

 今オフに監督が交代したのは、パ・リーグが楽天1球団、セ・リーグも広島、ヤクルトの2球団。12球団中3球団だけなのに、コーチ陣には大量入れ替えの旋風が吹き荒れた。監督交代でコーチ陣も大刷新というのならわかるが…なぜ異常事態は起こったのか。

 5年ぶりのリーグ優勝をしながら7年ぶりの日本一奪回に失敗した巨人は内田巡回打撃コーチ、小谷巡回投手コーチという熟練のコーチをはじめ7人を退任させた。

 同時に実松2軍バッテリーコーチ、二岡3軍総合コーチ、山口3軍投手コーチなど若返り人事を断行。阿部を2軍監督に据えた人事とリンクし、2年後のポスト原体制もにらんでいるのだろう。

 ラミレス監督が続投したDeNAも同じ狙いが見え隠れ。今季1軍投手担当だった三浦コーチを2軍監督に配転している。同時に万永2軍監督を2軍総合コーチに。近い将来の監督候補生に帝王学をマスターさせる思惑だろう。

 今オフのコーチ陣入れ替え人事は巨人、DeNAのケースだけでは片付けられない。中日2軍監督に仁村徹氏が復帰したり、その中日2軍監督の座を追われた格好の小笠原が古巣の日本ハムに戻り1軍ヘッド兼打撃コーチに就任したりしているからだ。

 背景には球界の深刻なセカンドキャリア問題がある。球界OBが生々しく証言する。

 「昔はユニホームを脱いだら、ネット裏で新鮮な充電生活を送れたが、今はテレビの地上波でのプロ野球中継は激減。年間契約ではなく、1本いくらの厳しい評論家生活で、満足に食えない危機的状況だ。だから、一度ユニホームを着たら絶対に脱ぐな! 現場を離れるな! がわれわれの合言葉になっている」

 いろいろな球団を渡り歩いてでも現場でコーチを続けるのがベストなセカンドキャリア。それが紛れもない現実だ。日本プロ野球界が抱える、シビアなお家の事情である。(江尻良文)

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