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【福島良一 メジャーの旅】負け越しチームから2度目のMVP受賞 28歳・トラウト、ボンズ超えも夢じゃない

 大リーグは今週、新人王、サイ・ヤング賞、MVPなど各賞を続々と発表。最後を飾るにふさわしいア・リーグMVPに、現役最高プレーヤーの呼び声高いマイク・トラウト外野手(28)=エンゼルス=が選出された。

 今季エンゼルスは開幕から大谷翔平投手を欠き、主力にけが人も続出。7月にタイラー・スカッグス投手が急逝したショックも計り知れず。最終的に72勝90敗と負け越し、2年連続4位と低迷。ブラッド・オースマス監督は解任された。

 そんな中、最強の2番打者トラウトが打率・291、自己最多の45本塁打、104打点。さらにリーグ1位のOPS(出塁率+長打率)、総合的評価で選手の貢献度を表す指標WARといった数値が高く評価され、3度目のMVPに輝いた。

 過去に大リーグで3回以上MVPに輝いたのは10人しかいない。古くは殿堂入りジョー・ディマジオやミッキー・マントル(ともに元ヤンキース)、最近ではバリー・ボンズ(元ジャイアンツ)、エンゼルスの同僚のアルバート・プホルス一塁手らだ。

 そのうち、28歳のトラウトより若い年齢で3度受賞したのは「ザ・マン」の愛称で親しまれたスタン・ミュージアルだけ。カージナルスで通算3630安打を放ち、7度も首位打者を獲得。カ軍の本拠地に銅像が立つ伝説の大スターだ。

 さらに特筆すべきは、2012年にレギュラーに定着して以降、MVP投票1位が3回、2位が4回もあること。つまり、毎年のようにMVP級の活躍を続けており、8年間でメジャー断トツのWAR72・0という数値に表れている。

 チームが14年を最後に優勝から遠ざかりながらも、3度受賞した最大の要因だ。そういう意味で、1958、59年ナ・リーグMVPのアーニー・バンクス(元カブス)以来2人目の“勝率5割以下のチームから2度受賞”は評価できる。

 若さと才能に加えて持続性もあり、来年投打の二刀流として復帰する大谷との相乗効果を考えたら、メジャー史上最多のMVP7度のボンズを超える事も夢ではない。(大リーグ評論家・福島良一)

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