侍ジャパン、東京五輪へやっかいな“中南米投手”対策 「アジアの投手とは全く違う」 東京五輪
「プレミア12」で初優勝を飾り10年ぶりの世界一に輝いた野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(47)は決勝から一夜明けた18日に都内で取材に応じ、「きょうからしっかり準備していく」と来年の東京五輪に視線を向けた。
五輪ではベンチ入り選手数が、今大会の28人から4人減の24人となる。
「今回のメンバーが土台になることは間違いないが、来年のシーズンをみながらになる」と世界一のタイトルを日本にもたらした選手たちが中心になるとした指揮官。今大会を通じて「中南米の投手と、比較的日本に近いアジアの投手は全く違う。打者の対応は課題」と痛感したという。
打率・444、3本塁打、13打点でMVPに輝いた鈴木誠也外野手(25)=広島=や、決勝の韓国戦(17日=東京ドーム)で貴重な適時打を放った浅村栄斗内野手(29)=楽天=は大会を通じて対応できたが、指揮官が中軸に期待した坂本勇人内野手(30)=巨人、韓国戦で決勝3ランを放ってチームを勝利に導いたとはいえ同・200と当たりが出なかった山田哲人内野手(27)=ヤクルト=は苦戦した。
ある代表OBは「中南米の投手で難しいのはフォームのテークバックの小ささ。150キロ近い球速に振りまけないようにしようと、こちらもタメを大きく作ると、詰まらされる。鈴木や浅村のように体の力があってシンプルなスイングの打者が対応しやすかったのはその点が関係している」と指摘する。
「中南米系に力勝負では勝てない部分がある。くさい球をカットしたり四球を丁寧に選んでいくことも必要。かといって中南米系を打つために選手をそろえればいいのかというとそうでもない」と稲葉監督。
前出のOBも「韓国や台湾の投手はボールを動かしてくるし、球種も米国の投手と同じだが、フォームは日本の投手に近い。大きく足を上げるタイプの打者もバットコントロールで対応しやすい」とうなずく。
今大会で見えた課題に選手がどう対応していくかに加え、指揮官がメンバーの人選と、限られた人数の中で対戦国によって起用法を変えていく必要に迫られそうだ。(片岡将)