メジャー移籍と東京五輪…広島・菊池の「二股狙い」は墓穴を掘る

今年もゴールデングラブ受賞の名手でも、五輪とメジャーの同時キャッチは難しい

【江尻良文の快説・怪説】

 12球団が来季も契約する権利を持つ保留選手名簿が2日、公示された。ポスティングで米大リーグを目指す選手は、移籍成立まで保留権がある日本の球団の名簿に記載。広島・菊池凉介内野手(29)もその1人だ。

 メジャー挑戦だけでなく、来年の東京五輪にも意欲を燃やす菊池だが、二股狙いは墓穴を掘るだけ。「二兎追う物は一兎をも得ず」「あぶはち取らず」のことわざ通りの結果になる。

 大リーグ機構(MLB)の五輪に対するスタンスは明確で不動だ。

 「五輪はアマチュアの祭典。メジャーの選手は出さない。そのためにプロの世界大会として、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)があるじゃないか」

 この不変の鉄壁方針はアテネ五輪日本代表・長嶋監督も崩せなかった。まな弟子・松井秀喜がヤンキース入りした際、「松井は大丈夫。アテネ五輪に出られるよ」と明言。疑問符の声には自信満々にこう答えた。「ヤンキースと契約の際に、『五輪出場を認める』という特例事項があるから、大丈夫なんだよ」。

 結果はご承知の通り。松井の五輪出場は実現しなかった。日本のミスタープロ野球でも、MLBの鉄壁の前には勝てなかったのだ。

 菊池がどうしても、侍ジャパンの一員として東京五輪に出場したいのならば、ポスティングでのメジャー挑戦を来オフに先送りするしかない。

 また別の問題として、広島から移籍を容認されたとはいえ、菊池に手を上げるメジャー球団があるかはわからない。球団側は「残留」も認めているが、この二股作戦は最悪の選択肢といえる。

 「『退路を断ってこい。その覚悟がなければメジャーでは生きていけない』。野球界の最高峰を自任するメジャー関係者は、こういう基本的な考え方を持っている」

 メジャー事情に精通する球界OBはこう明言。MLB側が最も嫌う姿勢なのだという。

 やはり、ひとまず広島に残留して来年の東京五輪で大活躍し、メジャー球団に改めて強烈アピールするのが得策だろう。(江尻良文)

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