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【西本忠成 トラとら虎】ソラーテが謎の敵前逃亡、原口は大腸がんから涙の復活

 阪神が打線強化のため、7月に緊急補強した前マーリンズ3Aのヤンハービス・ソラーテ内野手(32)。同26日のデビュー戦(対巨人)で決勝2ランを放つなど上々のスタートを切ったが、マークされて徐々に精彩を欠き8月19日に2軍落ち。9月6日、1軍復帰した当日に事件は起きた。

 マツダスタジアムに到着したものの、「モチベーションが上がらない」とグラウンドに出るのを拒否。矢野監督の説得にも応じず、試合開始の午後6時ごろは帰阪の新幹線の中だった。

 「スタメンではないのでむくれた」「前々からやる気がなかった」など諸説あるが真相は藪の中。数日後には解雇になった。残した成績は打率.188、4本塁打、9打点。「性格までちゃんと調べたのか」と担当の国際スカウトへの批判は根強い。

 原口文仁捕手(27)が大腸がんを患っているという衝撃の発表を決断したのは1月24日。「動揺したのは確かですが、常に前を向いて進んでいきます」と気丈に話した。同26日、手術は成功。3月7日には2軍に合流してトレーニングを開始するまで回復した。

 その後も経過は順調。5月初旬、2軍で実戦復帰。6月4日には待望の1軍入りを果たし、当日のロッテ戦でいきなり代打タイムリー。ファンの歓喜と涙を誘った。打率.206、0本塁打でオールスター戦にプラスワンで選ばれたのは、大病を克服したおかげだろう。抜擢に応えた2戦連続本塁打は見事だった。

 オフにはセリーグから「同じ大病を抱えた人たちに勇気と希望を与えた」としてリーグ特別賞。原口は病状が5段階で2番目に重い「ステージ3b」であったことを初めて公表した。今後5年間、半年ごとに大きな検査を受けるなど、病との闘いは続く。

(スポーツライター・西本忠成)

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