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【西本忠成 トラとら虎】“不惑の守護神”阪神・藤川の進化論 梅野の成長にもつながる「配球の変化」

 阪神の藤川球児投手は40歳になる今季も抑えの大役を務めることになった。昨年夏場、ドリスの不調で中継ぎから古巣に復帰。16セーブでチームを3位に押し上げたのが決め手になった。

 近年の信条は「ファンを喜ばせること」。鳥谷のような現役へのこだわりも個人記録への執着も一切ない。金本前監督を「男にしたい」が実現せず、矢野監督に同じ思いを抱くのは選手時代の戦友であり、優勝することがファンをはじめ全ての人への恩返しといってはばからない。

 昨オフの契約更改後には「(力の)現状維持は衰退」とまで言い切った。衰えを感じたらこの席には座らず、後進に道を譲るという。まだ進化を続け、自信もあるから矢野監督の構想に素直に応じた。

 確かに昨年あたりから投球術に変化が見える。代名詞の「火の玉ストレート」を少しセーブして配球に工夫をこらす料理法。見逃しの奪三振が増えたのはその証しで、打者の裏をかく快感はバッテリーを組む梅野の成長にもつながる。

 名球会入りの日米通算250セーブまであと7つ。あまり興味を示さないが、恩返しの意味ですんなり通り過ぎたい思いはある。その先の一つの夢は同世代の松坂(西武)と「日本シリーズで再会すること」と、リップサービスも忘れていない。

 驚くことに今季に向けた自主トレは昨年11月22日、鳴尾浜からスタートした。例年この場所から始動するのは初心に帰るためで、不惑のストッパーの秘密が垣間見える。(スポーツライター・西本忠成)

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