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ヤクルト、ドラフト1位・奥川に“慎重”姿勢… 燕を縛る過去のトラウマとは

 ヤクルトのドラフト1位・奥川恭伸投手(18)=星稜高=は7日、埼玉県戸田市の2軍施設で新人合同自主トレ初日に臨んだ。ゴールデンルーキーのプロ1年目の成否は高津臣吾監督(51)ら首脳陣にも大きな重圧を与える試金石だ。

 気温7℃の寒空の下、約1時間半汗を流し「すごく緊張感があるなかで練習できた」と笑顔をみせた奥川。

 「いい顔をしていますね。腕の振りがスムーズで下半身の使い方もいい。いいものを見られました」と高津監督もご満悦だ。

 目下の関心は2月のキャンプインを右腕が1、2軍のどちらでスタートを切るか。指揮官は「なんとなくの考えはあるが、球団としての方針もあるし、この場では言えない」と明言を避け、慎重な言葉に金の卵を預かる責任感をにじませた。

 新任の斎藤隆投手コーチ(49)は具体的な懸念を示した。

 「甲子園の時よりも身長が伸びたのかなと思った。何となくシュッとしたという感じ。気になるのは骨端線が残っているかどうか。成長が止まっていない場合、大学生の新人と同じ練習量を積むのは難しい」

 昨年中に身長が1センチ伸びたという奥川の体は現在も成長している可能性が高い。成長途中の骨には、先端部分に成長をつかさどる軟骨層があり、骨端線と呼ばれる。過度な運動によって骨端線を傷つけてしまうと成長を阻害するだけでなく、激しい痛みを伴う場合もある。首脳陣が避けたいのはこの点だ。

 ヤクルトでは2017年に、ドラ1の高卒ルーキー・寺島を1軍キャンプに抜擢も、練習に付いていけず左太ももを痛め、2週間で2軍落ち。その後左ひじ痛も発症し、2軍公式戦初登板が8月までずれ込んだ。この時2軍で指揮を執っていたのは高津監督。慎重を期したくなるのも無理はない。

 チーム関係者は「1軍キャンプは周りのレベルも違うし、報道陣やファンの数も段違い。無意識のうちにプレッシャーを感じて力が入ってしまい、ケガにつながる可能性がある。奥川が1軍キャンプに行ったとしてもほとんど別メニューになるし、客寄せ以上の意味がない」と指摘。今月下旬にも下される新監督の判断に注目が集まる。(片岡将)

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