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【田所龍一 虎番疾風録 Vol.27】なぜ江川氏の巨人へのトレードを急いだ? 明かされぬ「小津の魔法」 (1/2ページ)

 2月1日午前10時過ぎ、銀座のセ・リーグ事務所にやってきた鈴木会長の怒りは凄(すさ)まじかった。怒りの原因は前日(1月31日)の「阪神・江川入団会見」で小津社長が語った「批判の全責任は会長とコミッショナーが持つ」というくだりだった。

 「オレとコミッショナーが責任を取るだって? 冗談じゃない。オレは責任を取るなんて、これっぽちも言ってねぇよ」

 本当に頭にきていたのだろう。その口調は“べらんめぇ調”になっていたという。

 「一番いい商売をしたのは阪神じゃないか。タダで15勝級のピッチャーが獲れたんだから。いくら本社の労務担当重役といったって、組合をだますのとはわけが違うんだ。自分では筋を通す-とか協約順守と言いながら、やってることは、こうだからね」

 まさに怒りをぶちまけた感があった。

 だが、これではまるで話が変わってくる。そもそも小津社長が巨人とのトレードに踏み切ったのは、鈴木会長からの懇願とこの“お墨付き”があったから。ここの部分が無くなれば、「なぜ、小津社長は急変したのか?」の疑問が浮上する。

 おかしな話はこれだけではなかった。1月31日、午前8時に小津社長から鈴木会長へ電話をかけた。ところが、当初、小津社長は「鈴木会長から深夜に電話があり、東京に来るように言われた」と言っていたのだ。これにはすぐに鈴木会長が噛(か)みついた。

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