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【福島良一 メジャーの旅】ニグロリーグ創設100年 1930年代、大リーグしのぐ人気と実力

 今年は米国のニグロリーグ創設100周年。それを記念し、今月13日に大リーグ機構、および選手会が同野球博物館に100万ドルを寄付すると発表。シーズンが始まると、各地で様々な催しも行われる予定だ。

 1900年代初頭、全米各地に黒人チームが誕生。19年、北部で人種差別の暴動が起こり、やがて黒人文化が花開いた。ハーレムルネサンスが始まり、大都市では黒人ビジネスが栄え、20年に初の黒人リーグ、ニグロリーグが創設された。

 その新事業に乗り出したのがルーブ・フォスター。現役当時最高の黒人投手であり、殿堂入りクリスティ・マシューソンに決め球スクリューボールを教えた人物として有名。黒人社会への忠誠心を表し、大リーグと対等に戦うことを夢見た。

 大リーグの球団が遠征中に本拠地球場を借りるため、白人オーナーたちと厳しく交渉。自分たちの選手にも厳しく、攻撃的でスピード感あふれるプレーを要求。スライディングせずアウトになったら罰金5ドル。バントの失敗も許されなかった。

 30年代、ニグロリーグは全盛期を迎え、米国民の野球離れを防ぐために絶大な役割を果たした。地方巡業では夜通し移動し、1日4試合したこともあった。それでも、彼らは全力でプレーし、観客を楽しませようとパントマイムも演じた。

 当時は史上最高の投手サッチェル・ペイジ、通算800本塁打のジョシュ・ギブソンらが活躍。大リーグとのオープン戦で通算309勝129敗と勝ち越し、オールスター戦で観客5万人も動員。大リーグをしのぐほどの人気と実力を誇った。

 しかし、47年以降ジャッキー・ロビンソンはじめ、多くの偉大な選手たちが大リーグ入り。ニグロリーグは衰退の一途をたどり、60年限りで消滅。それでも、大リーグに史上空前の黄金時代を築く黒人選手たちの土台作りに使命を果たした。

 近年大リーグは黒人選手が減少。初めて黒人を登用したドジャースすら新加入のムーキー・ベッツ外野手、デビッド・プライス投手の2人だけという有様。そんな中、100周年に改めて彼らの功績を称えたい。(大リーグ評論家・福島良一)

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