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大相撲、異例づくしの「無観客春場所」初日ルポ 力士ら戸惑い「何のために闘っているのか…」 報道陣にも検温義務付け NHKは取材規制なしの“優遇” (1/3ページ)

 ■大相撲春場所初日=8日、エディオンアリーナ大阪

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くのスポーツ公式戦が中止や延期となる中、日本相撲協会は史上初となる無観客での開催を決断。大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)は8日、注目の初日を迎えた。声援が一切ない土俵に力士からは「何のために闘っているのか分からない」と戸惑いの声が上がり、報道陣に数々の規制がかかる中でも生中継したNHKは通常運転。長い大相撲の歴史の中でも、異例づくしの1日の舞台裏を追った。(塚沢健太郎)

 力士にとって無観客の土俵は、想像以上に影響があったようだ。

 西前頭3枚目の御嶽海に押し倒しで敗れ、東前頭4枚目の炎鵬は「闘争心、アドレナリンが出なかった。何のために闘っているのか分からなかった」と複雑な表情。一方の御嶽海は「何ともないです。炎鵬でしょ!? 余裕過ぎました。(無観客は)逆に集中できると思います」とドヤ顔で、明暗を分けた形となった。

 他にも力士からは「緊張感が全然なかった。みんなそうだと思う」「稽古場に近い感覚でした」「思ったよりもシーンとしていた」といった声が続出。まるでリハーサルの感覚で相撲を取った。

 そのせいなのか、幕内21番中、10秒以上の熱戦はたった2番。大関取りに挑む関脇朝乃山が隠岐の海を寄り切りで下した17秒6が最長で、他には剣翔-錦木の12秒3だけ。声援の後押しがないと踏ん張りも弱いのか、攻防の少ない、一方的で淡泊な相撲が目立った。

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