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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】消えたセンバツ出場校(1)「帯広農業」「白樺学園」 (1/5ページ)

 球音が消えいりそうな春、野球から遠ざかることがこれほど辛く毎日違和感を覚えるものとは想像もしなかった。第92回選抜高校野球大会出場校の皆さんにとってはなおさらだと思う。私にできることは実況、誠に勝手ではあるが、イメージの中でプレーさせてほしい。甲子園で。そして応援する皆さんも楽しみながら今年のチームを記憶に刻んで頂ければ幸いだ。

 解説は、高校野球を愛して止まない想像上のキャラクター夢舞台高校野球部元監督・浜風甲子男(はまかぜ・きねお)さん、実況は小野塚康之。

 【大会第1日・第1試合 帯広農業 21世紀枠 初出場】

 小野塚:1塁側に帯広農業。既にダッグアウトを出て列を作っています。一番手前に背番号「1」、キャプテン井村塁。向き合ったナインににこやかにうなずきかけています。早く甲子園でプレーをしたい。心が勇みます。瞳がキラッキラに輝いています。

 浜風:雪の北海道で春を待ってましたからね。選手の気持ちが伝わってきます。

 小野塚:さあ、バックネットの向こう側、通路から4人の審判が小走りに出てきました。

 井村、膝に手をついて気合を入れます。いやぁ大きな声です。相手より先に飛び出します。おっと! 猛然とダッシュ、全力疾走だ! ホームプレートをはさんで一線に整列。試合前の挨拶です。深々と腰を折ります。丁寧なお辞儀は帯広の町で実行している、あの礼を尽くす姿勢です。球春を待っていたスタンドのファンから拍手が湧き起こり、銀傘に木霊(こだま)します。…

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