【何競技、書けるかな? to TOKYO2020】競泳・松元克央を進化させた「3つの変化」 (1/2ページ) 東京五輪、21年7月開催へ
選手たちは今、どんな心境で毎日を過ごしているでしょうか。五輪延期の日程が1年後に決まり、改めての目標が定まったことで、少しは気持ちのリセットができたでしょうか。
競泳の選手たちは、本来なら今日までが代表選考会でした。今、もう五輪に内定していたかもしれません。そんな選考会の直前に五輪の延期が発表され、その翌日には選考会も中止となりました。延期や中止がささやかれる、揺れる胸中で準備をしてきたであろう選手たちは、できない状況を理解しつつ、複雑な気持ちだったと思います。
「たられば」ですが、この春の仕上がりが見たかった選手がいます。去年の世界選手権200メートル自由形で日本初の銀メダルを獲得した松元克央(23)=セントラルスポーツ=です。年明けの大会から4月の日本記録更新を予感させる泳ぎでした。
近年、松元が記録を伸ばしてきたのは3つの変化があったからです。1つは2017年から鈴木陽二コーチ(70)の指導を受けるようになったこと。鈴木コーチは鈴木大地=現スポーツ庁長官=を育てた名コーチです。
2つ目は、左右の背筋の大きさが違うほど右腕中心の泳ぎだったのが、右肩を痛めたことを機に、両腕でかく効率の良い泳ぎを身につけたこと。
3つ目は、日本人は自由形のメダルが取れていないという思考から、メダルが取れている他の種目と同じようにメダルを目指そうという思考に変えたこと。思考が脳のリミッターを外したのかもしれません。