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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】消えたセンバツ出場校(5)「加藤学園」「中京大中京」「県岐阜商業」 (1/3ページ)

 中止の第92回センバツ出場校を私は忘れない。勝手に仮想試合実況・甲子園! 解説は、想像上のキャラクター夢舞台高校野球部元監督・浜風甲子男(はまかぜ・きねお)さん、実況は小野塚康之。

 【大会第5日・第1試合 加藤学園 東海静岡 初出場】

 小野塚:6対4加藤学園リード、初出場の勝利までアウトあと1つ、しかし、大きな試練がやってきました。9回2アウト満塁のピンチです。マウンドには右のオーバーハンド肥沼竣、180センチ80キロ均整の取れた体、秋の東海大会3試合完投、ここまでエースの責任感でマウンドを死守しています。首筋に汗が光ります。

 浜風:さすがの肥沼君も前半から飛ばしてきたので球威が落ちて制球も甘くなっています。

 小野塚:3塁側のアルプススタンドでは女子生徒が手の指を絡め祈りのポーズで成り行きを見つめます。2アウト満塁。3ボール2ストライク、ランナーは一斉にスタートを切ります。

 浜風:ここはフォアボールもダメですからバックを信じて思いきり腕を振ってほしいところです。

 小野塚:レフトにはこの回から守備固めで菊間右響が入っています。171センチの身体一杯に力を込めて肥沼に激励の声を飛ばします。うなずいて肥沼セットポジション、第6球を投げました。打ちました。左中間大きい、菊間いいスタート、打球は長打コースに飛んでいる、抜ければサヨナラだ! 菊間猛然と追う、センターの佐野陸斗も来た、抜けそうだ! いや、菊間が行く! 行く! 一直線、左手を目いっぱい伸ばす、捕れるか! ボールが消える、菊間が転がる、1回転2回転、勢い余って緑の芝生の上、帽子が飛ぶ、捕ったか? 捕ったか? グラブ差し上げた! ボールが半分見えている、2塁審判が確認、右手が上がる! アウト! アウト! アウト! 捕ってました! 甲子園の広い左中間、ランニングキャッチに回転レシーブ、大、大、大、大、大ファンプレー! 試合終了! 加藤学園、初勝利をがっちりつかみ取りました。