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「微陽性」は使用NG! 巨人のコロナ対応に感染症専門家が“医学的指導” 抗体陽性で試合出場もダメ (3/3ページ)

 ■退院時期→△

 坂本と大城には症状がなく、入院後の2度のPCR検査でも陰性が確認されたが、いまだに保健所から退院の許可が下りない。厚労省の規定で、2人は「無症状病原体保有者」に分類され、退院の基準は「陽性確認から14日間経過」。現時点では隔離が必要、というのが保健所の判断なのだ。

 だが、「陽性確認」がなされた時点で、実際の感染からかなりの日数がたっているとすれば、この基準は医学的にも再考の余地がある。賀来氏は「医療機関や保健所などに、抗体の値をもう一度見ていただきたいとお伝えしている」とし、実情に合わせた判断を要請していることを明かした。

 ■全体検査→〇

 専門家チームから厳しい意見を頂戴した巨人だが、一連の対応に問題が生じた根本的な原因は、NPBが事前にこうした事態へのガイドラインを定めていなかったことにある。万事が泥縄式で後手に回ったまま、開幕は10日後にまで迫った。

 仮に巨人が自主的にチーム全体の抗体検査を行わなければ、坂本や大城のコロナ感染も発覚しなかった。球界内に「先走り」「やり損」「パンドラの箱を空けた」などと揶揄する声もあったが、逆説的に自主検査を行わない球団にも世間の視線が向くことに。巨人の騒動が結果的として、球界に一石を投じた形だ。

 安全性を軽視した開幕に、国民の共感は得られない。斉藤惇コミッショナー(80)は「唾液によるPCR検査を、まずは開幕前にできるように準備する」と明言。全選手を対象に、定期的なPCR検査の導入を決めた。開幕後は月1度のペースで実施する方針だ。

 ただ、巨人2選手のケースを見ても、陽性判定から2週間の隔離は選手にとって死活問題。退院の基準に関して、斉藤コミッショナーは「法を曲げるわけではないが、状況は日々変わっていく。厚労省とよく話していきたい」との考えだ。条件が緩和されなければ、泥縄式の一斉検査の結果、今度は巨人以外から開幕絶望の選手が続出する可能性も。後の祭りとはいえ、やはり動き出すのが遅すぎる。

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