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阪神・藤浪、やっと“返済”スタート 白星お預けも7回10奪三振の力投

 阪神・藤浪晋太郎投手(26)が30日のヤクルト戦(神宮)で今季2度目の先発。7回10奪三振の力投も、味方の3失策も絡む4失点(自責1)で2敗目を喫した。

 右打者へのすっぽ抜けを恐れて、この日も相手打線は左打者8人。これが藤浪の心理的負担も軽くしたのか、150キロ超の速球に変化球を織り交ぜ、毎回の奪三振にわずか1四球と見違えるような快投を見せた。

 近年は登板のたびに、四死球で塁上を賑わせては被弾の悪循環。野手から「リズムが悪く守りづらい」とブーイングを浴びていたが、この日は逆に野手が足を引っ張る展開となった。6回まで1失点の好投も打線の援護はゼロ。7回には遊撃北條が痛恨の2失策に、自身の悪送球も適時失策となったが、打球を利き腕に受けながら気迫の送球をした結果だけに、治療から戻ると両軍ファンから温かい拍手を浴びた。

 この回限りで降板し、「ああいう場面で抑えないと」と悔やんだ右腕。だが好投を見殺しにした野手は、次の登板時に借りを返そうと奮起するはずだ。一方の藤浪は昨季プロ初の0勝、今年は3月の新型コロナウイルス感染に、寝坊で遅刻し2軍懲罰降格とチームに散々迷惑をかけてきたが、やっとわずかながら借りを返せた格好だ。2年ぶりの白星には届かなくても、「今回みたいにストライク先行でしっかり自分の投球をしたい」と確かな手応えをつかんだ。

 対照的にヤクルト関係者は「寝ていた藤浪をたたき起こし、覚醒させてしまった」と渋い表情。「序盤は制球難を安定させようと捕手の要求は直球ばかりだったのに、こちらは1得点だけ。つぶすなら一気にやらないといけない。立ち直るきっかけも、試合をつくれるシナリオも与えてしまった」。左打者だけ並べる打線ではもう、攻略は難しいかもしれない。 (山戸英州)

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