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【神谷光男 スポーツ随想】ラグビー部でクラスター発生 不当な差別、偏見に苦しむ天理大 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスのクラスターが発生した天理大(奈良県)ラグビー部をめぐる誹謗中傷は、聞けば聞くほど腹立たしくも、悲しい。

 ラグビー部とは関係ない一般学生が、アルバイト先から「しばらく休んでくれ」と一方的に告げられた。また、教育実習の受け入れ先だった学校からは、「保護者が不安がるから受け入れを中止したい」との要請があったという。

 「大学全体に感染が広がった事実はない。不当な扱いが起き始めていて看過できない」と永尾教昭学長が会見で訴えた。同席した並河健市長も「社会の分断を招きかねない差別につながる」と指摘した。

 ラグビー部は全員が寮生活。練習から食事、入浴など感染対策には細心の注意を払っていた。しかし、どんなに手は打っても100%避けられるものではない。ただ、大学は春から授業の大部分をオンラインで実施しており、8月は夏休みで一般学生との接触はほとんどないという。だとしたら偏見もいいところだ。

 10月10日開幕予定の関西リーグで、天理大は4連覇中。2018年度の全国大学選手権では決勝に進み、優勝した明大を17-22と苦しめた。かつての同志社大に代わり関東勢と唯一、対等に戦っている。野球の天理高とともに、市の誇りともいえる存在でありながら、コロナの恐怖が周囲の人々の理性を失わせてしまったのか。

 ラグビー部は17日から長野県菅平で恒例の夏合宿を予定していたが、当然中止になった。例年800を超える大学、高校、社会人チームが合宿を張る菅平では、昨秋のW杯効果で例年以上の盛り上がりが期待されたが、今年は50チーム程度だった。

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