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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】高校野球に学ぶ「困難で輝く選手」 頼もしい自立心が未来のヒントに (2/3ページ)

 試合が行われた6日間甲子園に通った。32校は素晴らしかった。本来行われるセンバツから5カ月近くが経過している。それなのに去年秋に結果を残し冬の成長分も期待され高い評価を受けたその実力と特徴をそのままに見せてくれた。何という継続力だと感心した。それは投手を見るだけでも明らかだった。大分商業の川瀬堅斗、中京大中京(愛知)の高橋宏斗、明石商業(兵庫)の中森俊介、履正社(大阪)の岩崎峻典と枚挙にいとまがない。

 センバツで評判になっていた逸材たちが時期がずれても、たった1試合しかない場でも遺憾なく実力を発揮した。投手の練習や調整というのは平穏なシーズンでも難しい。それが目標を失ったり、練習自粛期間や全体練習の縮小など負の材料ばかりが重なった。監督やコーチから直接、指導やアドバイスを受ける機会も激減、最も大切な実戦は各都道府県独自の代替大会には登板できたにせよ圧倒的に不足した。

 そんな中で高校生1人1人が自立して考えた。現実的なプランを立て、各自が習得したい技術を定め、テレワークなど可能な手段を入手し、限られた時間を生かし、効率良く質の高い練習方法を模索した。そして成果に結びつけた。球速が増していたり、フォームが滑らかになったり、コントロールに磨きをかけていたり、不調ながらまとめたり…。ただただ感心するばかりだった。

 憧れの舞台で実力を見せた! 甲子園で勝った! プロのスカウトにアピールした! さまざまな思いをみんなが成し遂げたように見えた。投手だけでなく、野手もチームとしても苦境を乗り越えたパフォーマンスだった。甲子園での選手たちのプレーぶりは、前代未聞の新型コロナウイルス感染症拡大で厳しい制約を受ける中で頑張った全国の野球部員のものだと受け止めた。

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