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【神谷光男 スポーツ随想】安倍首相辞任とコロナで迷走…幸薄い?東京五輪の聖火 9月1日から一般展示 (1/2ページ)

 何とも幸薄い聖火ではある。3月12日にギリシャで採火され日本に来たものの、半年近く日の目も見ずに保管状態が続いた東京五輪の聖火が、9月1日から国立競技場近くの五輪博物館「日本オリンピックミュージアム」(東京都新宿区)で一般展示される。

 思えば、2013年の五輪招致プレゼンテーションで、福島原発の汚染水漏れに対し安倍首相が「状況はコントロールされている。今後も東京にダメージを与えることはない。私が保証する」と大風呂敷を広げて呼び寄せた聖火だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大では国際オリンピック委員会(IОC)のバッハ会長と電話で直談判し、「完全な形」での開催を目指し「1年程度の延期」で納得させた。任期まであと1年。「花道」になるはずだった五輪を前に、執念を燃やし続けた東京五輪の“父親”がいなくなった。

 予想される後任首相の顔ぶれを見ても、東京五輪に関心を示し全力を傾けそうな人は見当たらない。各種世論調査の数字でも、来年に延期された東京五輪は「中止」か「再延期」が70%近くを占め、「予定通り開催」を望んでいる人は30%にも満たない。

 新型コロナは仮に日本で終息しても、まだまだ世界のあちこちでくすぶり続けるだろう。世界中から選手や観光客が集まればウイルスも集まる。ワクチンや治療薬が開発され十分な量が確保されていない状況なら、「開催は怖い」という意見が多いのは致し方ない。

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