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【神谷光男 スポーツ随想】安倍首相辞任とコロナで迷走…幸薄い?東京五輪の聖火 9月1日から一般展示 (2/2ページ)

 そんな折、陸上中距離の金メダリストで英国の名選手でもあった世界陸連のセバスチャン・コー会長が英BBCのラジオ番組で、東京五輪について「(開催に)確実性はない」とセンセーショナルな発言をして注目を集めた。「五輪開催を本当に望んでいる」としながらも、コロナ禍でスポーツ界の混乱が続く場合、「別のタイプの大会創設について、既存の枠組みにとらわれずに考えなくてはいけない」。

 コー氏は、東京五輪の準備状況をチェックする国際オリンピック委員会(IОC)の調整委員という立場にいるだけに、影響力は大きい。ましてや五輪の中核をなす陸上のトップだ。「中止やむなし」を前提としたような発言で重みがあり、これが世界の流れであることは明白だ。

 「五輪命」だった安倍氏の退陣。組織委員会の森会長が「開催国としての責任を果たしたい。次のリーダーも当然その考え方だろう」とIОCバッハ会長に伝えた。しかし、誰がなっても気心の知れない首相と数千億円といわれる追加経費など、残された短い時間でどこまで協力しあえるのか。聖火はもはや風前の灯になりつつある。(作家・神谷光男)

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