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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】中村憲剛らしさ満点のループシュートに極意を見た

 今季のJ1川崎はゴールを奪い続けます。

 2日のJリーグYBCルヴァン・カップ準々決勝では、アウェーで神戸相手に6-0ですよ。それもレベルが高いゴールばかり。見ているこちらも驚きの連続です。

 長く戦列を離れていたチームの顔、MF中村憲剛(39)も魅せてくれました。8月29日の明治安田生命J1第13節清水戦で決めたループシュートは、本人が「等々力にも神様はいた」と思わず話してしまうほど凄い一撃でした。

 彼は昨年11月2日のJ1第30節広島戦で左ひざ前十字じん帯損傷、外側半月板損傷というやっかいなけがを負いました。完治まで10カ月かかり、この清水戦が復帰戦。ゴールが生まれたのは、途中出場して後半40分のことでした。相手のコントロールミスからこぼれてきたボールに、「これはループシュートだ」と頭に浮かんだといいます。

 そうです、ループシュートは自分でイメージを描かなければ絶対に入りません。それこそ、空から自分のプレーを俯瞰して、動くイメージです。私も経験あるんですが、ループを決めるときって不思議と、そのイメージが自分の目の前で映像になるくらい、すべてがスムーズにいきます。

 中村がすごかったのはこのとき、あえてダイレクトでボールをとらえ、優しく浮かせてゴールを決めたこと。この「優しく」もとても大事です。ボールの扱いと足首からつま先まで、すべてをソフトに使って決める。これこそループシュートを決めるノウハウですね。

 けがをした左足で決めたこと、そして技術的にも難易度が高いダイレクトでループシュートを決めたこと。このゴールに彼の、中村憲剛たる極意を見ました。「自分が点を取るとは想像しない筋書き」とコメントしていましたが、これは完全に照れ隠しですね。彼なら10回中9回は成功できるプレーですが、実に中身の濃いゴールでした。感激です。(元J1横浜監督・水沼貴史)

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