記事詳細

【神谷光男 スポーツ随想】長く居続けると批判がつきまとう… 安倍首相と白鵬は「似たもの同士」 (2/2ページ)

 それから、1年後…。安倍首相は国際オリンピック委員会(IОC)のバッハ会長に直談判し、1年延期とした東京五輪が花道との予想に反し、持病の潰瘍性大腸炎の悪化で退任を発表。「国民の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、首相の地位にあり続けるべきでない」と会見で語った。在任は7年8カ月の長きにわたったが、「結局何を残したの?」の声も聞かれる。

 平成19(2007)年名古屋場所で昇進後、13年間横綱に君臨している白鵬も優勝44回など十分すぎるほどの実績を残してはいるが、張り差し、かち上げなどの取り口や言動が品位に欠け、「歴史に残る名横綱とはいいがたい」と評価はいまいちだ。平成30(2018)年からの3年間15場所で4回優勝しているが、休場も8場所あり衰えは隠せない。それでも「東京五輪まで頑張る」と、辞めるつもりなどさらさらないらしい。

 7月場所は12日目の御嶽海戦で土俵下に落ちて右膝を痛め、足を引きずりながら審判長の前を横切り土俵に戻った。「明日から休みます」との予告のつもりか、翌日からさっさと休場した。先月に内視鏡で膝を手術。稽古再開のメドは立たず、13日初日の秋場所もどうやら休場の可能性が大きい。

 「引退」の2文字は確実に忍び寄る。政権に執着するとみられた首相はきれいに身を引いた。首相の言葉にある「国民の負託」を「ファンの期待」に、「首相」を「横綱」として肝に銘じ、残された土俵に打ち込んでほしい。(作家・神谷光男)

関連ニュース