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【神谷光男 スポーツ随想】無責任過ぎるIOC副会長の「あろうがなかろうが開催」発言 医療崩壊が起きたらどう責任とるのか (1/2ページ)

 「(新型コロナウイルスが)あろうがなかろうが開催される」。来夏に延期された東京五輪についての国際オリンピック委員会(IOC)ジョン・コーツ副会長の発言だ。いくら東京五輪の準備状況を監督する調整委員長とはいえ、勝手にそんなことを言っていいのかと驚いた。

 フランスのメディアがインタビューを伝えたもので、コーツ氏は「コロナを克服した五輪となる。トンネルの先に光が見える」とも話した。何を根拠に、そうまで言い切れるのか。

 コーツ氏は「(コロナが)流行したままの国から参加する選手もいるだろう」として、受け入れる際の対策強化も指摘した。ワクチンの開発状況から見ると来夏、かりに日本国内で収束していても、世界的な終息宣言などとても望めない。

 開くのは日本だ。見切り発車で世界中から人が押し寄せ、感染が再燃して医療崩壊が起きたらどう責任を取るつもりか。オーストラリア人のコーツ氏に「自分の国での五輪だったらどうする?」と聞きたいくらいだ。

 政府は4日に東京都、大会組織委員会などと新型コロナ対策を検討する調整委員会を発足させた。橋本聖子五輪相は、その初会合の内容が組織委を通じてIОCに伝わったとして、「確実に東京大会が実施できるということを、コーツ委員長は確信したんだと思う」と話した。こちらはこちらで発言内容を十分に吟味もしないで、ただお先棒を担いだ感じだ。国内では競技関係者や選手たちからでさえ、「こんな状態では調整も難しい」との声が聞こえる。無責任なコーツ発言をうのみにする姿勢に神経を逆なでされたかもしれない。

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