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【松本秀夫 プロ野球実況中継】セ・リーグに楽しみな“個人の対決”増えてきた 引き込まれた大卒ルーキー同士の投げ合い

 セ・リーグのペナントレースは巨人が独走。クライマックスシリーズがない今年は興味が薄らいだようにも思えますが、実況をやっていると、そうばかりとも言えません。楽しみな“個人の対決”が徐々に増えてきた気がするのです。

 19日は神宮球場でヤクルト対広島戦の実況でした。最下位争いで、盛り上げるのがなかなか厳しいカードです。ただ、この日の先発は広島がドラフト1位ルーキーの森下暢仁(明治大)、ヤクルトが同2位の吉田大喜(日体大)。同い年の2人は大学日本代表のチームメイトだったこともあり、森下はかつて「ライバルは吉田」と話していたこともあります。

 初回に四球を連発、1失点を喫した吉田が、その裏の森下の快投に刺激されたのか、2回には見違えるような投球を見せました。その後はまさに2人の意地がぶつかるしのぎ合い。この日のニッポン放送の中継は、リスナーの皆さんのツイッターコメントを生で紹介する企画でしたが、2人の熱投に引き込まれ、あまりコメントを読めませんでした。惜しむらくは5回1失点で吉田が降板したこと。もっと投げ合いを楽しみたかった…。

 森下とヤクルト・村上の対決も見応え十分。第1打席は森下が警戒して四球、でも2打席目はかすらせることもなく三振。村上選手の悔しがる表情もナイスでした。

 昔からプロ野球の醍醐味は、ONを筆頭とする個人の輝きだったと思います。それが近年、スター選手がこぞってメジャーへ行き、唸るような個人の対決がどんどん減っていました。ただ今季は投手では菅野(巨人)、森下、大野雄(中日)、野手でも村上や岡本(巨人)と、名前だけで「見てみたい」と思う顔ぶれが増えました。個々が散らす火花こそ、ネットの「1球速報」では伝えられない実況アナの踊り場。ライバル同士の、力と力の対決がどんどん増えますように。 (フリーアナウンサー・松本秀夫)

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