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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】高校野球に学ぶ 沖縄が生んだ「魔球」の力 73回選抜、宜野座・比嘉裕投手「宜野座カーブ」 (1/3ページ)

 2001年センバツ第73回大会は21世紀枠最初の年だった。少子化や過疎化など野球部や学校にかかわる困難を乗り越え野球部の活動を通して地域に貢献しているチームを甲子園で全国の皆さんに見ていただき、刺激や活力につなげようという趣旨でスタートした1回目だった。

 2校出場のうちの沖縄県立宜野座高校が快進撃、はつらつとした笑顔あふれるプレーで並み居る強豪を相手にベスト4まで勝ち進み新設枠の期待に飛躍的に応えた。その原動力はエースの駆使する「魔球・カーブ」だった。

 一体全体どういう風に投げているのだろう。手品を見ているようだ。ポカンとテレビ画面を見ていた。試合中何度かスロービデオで映し出される右腕の微妙な動きがすぐには理解できなかった。これが『宜野座カーブ』に出合った最初の印象だ。高校野球にはさまざまなタイプの投手がいて、独特の球種や変則フォームも数々見てきたが、このボールには衝撃を受けた。

 縦に割れ落ちるような大きな曲がり方、球速が失われずに打者に向かい近づくとものすごくドライブがかかりスピン量が増すと感じた。音で例えるなら「グリュ、グリュ、グリュ、グリュ、グリュ、グリュ、ストーン!」という感じだ。リリースした直後より打者の手元で勢いづくイメージがある。実際にはそんなことはあり得ないのだが、そう見えてしまう。

 1メートル67センチ59キロの小柄な右のオーバーハンド比嘉裕投手(沖縄・宜野座=21世紀枠)が操った独特の変化球だ。

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