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JOC、女性アスリートの性的写真対策へ 「盗撮罪」創設が焦点

 女子アスリートが競技会場で性的な意図で写真を撮影されたり、SNSにみだらな文章や画像を拡散されたりする被害拡大を受け、日本オリンピック委員会(JOC)が選手の環境を守るため競技横断的な対策に乗り出すことになった。

 今年8月ごろ、陸上の日本代表経験もある複数の現役女子選手から日本陸上競技連盟のアスリート委員会へ相談があった。中高生や全国に広がる問題を踏まえ、各競技団体へ実態把握のヒアリングを実施。競技中にお尻や胸など体の一部分をアップにした写真を無断で撮影される被害が多発していたという。

 実際に体操、水泳、バレーボールなどの女性アスリートが、転倒した際に足を開いたものや、前かがみになり胸元がアップになった場面を狙い、撮影した画像を掲載したサイトが多く存在する。

 法務省の性犯罪に関する刑事法を見直す検討会では「盗撮罪」の創設が議論の一つで、今後の焦点となる。9月には女子選手の被害も指摘された。来夏の東京五輪に向け、日本陸連の風間明事務局長は「スポーツを愚弄する問題の取り締まりを法的に何かできないか。陸上界では袋小路に長年入っていたが、一歩踏み出した」と述べた。

 現時点で国内の盗撮行為は刑法で規定されておらず、都道府県ごとに迷惑防止条例で取り締まっている実情がある。しかし条例で取り締まる「盗撮」とは原則、衣服で隠されている下着や身体を撮影する行為。選手のユニホーム姿を「盗撮」すること自体は犯罪に該当しない可能性が高い。

 被害経験のある陸上女子選手は「ネットに流れたら競技を引退した後も残ってしまう」と流出写真の影響を不安視する。日本陸連法制委員会の工藤洋治弁護士は、選手の情報を性的な言葉とともに拡散する行為に関し「名誉毀損罪や侮辱罪に当たる可能性がある」と指摘。徹底的に取り締まってもらいたいものだ。

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