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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】ダルビッシュを考える(上) アイドル選手と違うオーラ…10種類以上の球種、状況次第で直球の速度も調節 (1/3ページ)

 2020年カブスのダルビッシュは素晴らしかった。MLBで日本人投手初の最多勝に輝いた。今シーズンは思い通りの投球をコンスタントに実現できるようになったというのだ。それは経験を積んで熟練の技を会得したという類のものではなく、進化を続けてきたパフォーマンスが究極に行き着いたのだ。速球の球威が自己ベストになり変化球の切れ味や抜け方も納得の領域に。しかもイメージ通りのボールを毎日自在に操れるというのだ。

 投球回数に対して、被安打と与四球の少なさ、奪三振の多さ、数字が充実ぶりを裏付けている。コロナ禍で開幕が大幅に延期され、コンディションを整えるのが極めて難しかったうえ、60試合という超短期のシーズンで集中的に成績を残した。

 それをやってのけたのが34歳という年齢なのだから舌を巻く。ひげを蓄えたりユニークな髪形に変わったりしているが、私の目にはダルビッシュは高校時代から常に規格を外れた超人に映り続けている。10代の甲子園で見せていた驚きの素質が時を経て海の向こうで最高の形で結実した。

 私のファーストインプレッションは“格好がいい”だ! 1メートル94センチの長身に宮城・東北高校のストライプのユニホームがベストフィット。手足が長く、特になで肩で首が細くスッとしているのでスマートさは史上最高だ。小顔で愛らしい目には光が宿り、鼻筋が通って口元は引き締まり、それまでのアイドルと呼ばれた名選手たちと一味違うオーラを発していた。

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