記事詳細

【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】ダルビッシュを考える(中) 不安な立ち上がりからのノーヒッター、味方のエラーに四球…不都合な展開に濃縮された能力の高さ (2/3ページ)

 4球目、だがダルビッシュはアグレッシブ。ボールを置きに行ったりしない。ストレートで押し込んでいく力勝負。失敗するはずのない橋村のバントはサードのファウルエリアに力なく上がった。直前にエラーをしてつらい思いをしていた横田崇幸三塁手(3年)の差し出すグラブに収まった。

 1アウト1塁。『チャンスの芽は俺が摘む』とばかりに続く3番右の橋本賢中堅手(3年)を2ボール2ストライクから膝元に食い込みながら沈むシンカーで空振りの三振。ここはバットに当てたら併殺を取ろうという狙いも感じられた。

 2アウト1塁となって4番右のスラッガー木村拓一塁手(3年)を迎える。エースと4番の対決! だが熊本工業は動いてきた。1塁ランナーの宮崎が初球スタート、意表を突いた形でまんまと盗塁成功。2アウト2塁。機動力野球の林幸義監督の大胆な采配で得点圏に進めた。2盗を許してしまったダルビッシュは心穏やかなはずはない。

 熊本工業は抑えられかけたところで再び好機を作り直したのだ。エースの岩見優輝(3年亜大~大阪ガス~広島)は、この大会評判のサウスポーで防御率が実に0・96(ダルビッシュは1・36)。1点取ればかなり勝利に近づく計算ができる投手なのだ。先制点は重要で初回から勝負手を打ってきた。

関連ニュース