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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】ダルビッシュを考える(下) 何度振り返ってもワクワクするノーヒットノーラン 4番が手も足も出ず、打者2巡目に“変速” (1/4ページ)

 ダルビッシュのノーヒットノーランは何度振り返ってもワクワクする。

 立ち上がりの2イニングが、まず見せ場。“勝負師の意地”と“キャプテンの責任感”がのぞく。気迫だけではなく実力に裏打ちされたパフォーマンスだった。

 1回は無失点が必定。「エラーのランナーだから仕方がない」とか「落ち着くためにアウト優先で行こう」なんて言う考えは全く感じられなかった。『熊本工業に勝つ!』『目の前の打者を討ち取る!』その表れがバント戦術に自信あふれるベンチと選手を不利なカウントからねじ伏せた場面だ。敵の得手を封じ込めショックを与えるに十分だった。

 そして一気の攻め手は1アウトからの、結果は三振だがダブルプレー狙いの決め球シンカーの選択だった。まだ数球しか投じていない段階で勝負球に使えるのだからその完成度に舌を巻く。さらに、自分の不完全なクイックで走者に盗塁を許した一進一退のせめぎ合いの中での4番とのガチンコ勝負では、絶対に失点しない三振を取りに行った。相手は手も足も出なかった。

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