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【江尻良文の快説・怪説】パCS裏テーマ ソフトバンク・王会長がロッテ・井口監督に与えた新たな試練だった (1/2ページ)

 ソフトバンクの2連勝であっけなく終わったパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)。その裏テーマともいうべき人間模様が、前身ダイエー時代からホークス王国を築き上げた王貞治球団会長(80)対ロッテ・井口資仁監督(45)の因縁対決だ。

 ダイエー時代の井口は球団首脳から特別扱いだった。同じ青山学院大出身のオーナーファミリー次男、中内正オーナー代行(後にオーナー就任)が、「青学ホークスを作りたい」と公言していたほど。井口への特別待遇の最たるものが、メジャー行きの際に明らかになった「自分が球団のトップから手を引いた時には井口を自由にする」という約束手形で、球界中が絶句したものだ。

 そんな井口に対し、「プロ野球の世界は甘くない。実力オンリーのサバイバルレースだ」と言い切る王監督(当時)は容赦なく有言実行。スター候補生の遊撃手を二塁手に転向させた。学閥から球団首脳に溺愛され、その気になるのは百害あって一利なし。プロ野球界の厳しさを教え込んだのだ。選手時代の座右の銘が「若い時は努力」「ベテランになってからは気力」だった世界の王には当然の対応だった。

 ところが、チヤホヤされるのが当然だと錯覚していた井口は反発。王監督が2006年にワールド・ベースボール・クラシック日本代表監督に就任し、井口をメンバーに選んだのに辞退した。王監督は「井口の欠場は個人的な事情だからしようがない」とあえて無視、問題視しなかった。

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