記事詳細

【福島良一 メジャーの旅】初の女性GM誕生は歴史的偉業! マーリンズのキム・アング氏

 ついに、大リーグで新たな歴史が作られた。今年17年ぶりプレーオフに進出したマーリンズの新GMにキム・アング氏が就任。男性社会で史上初となる女性GMの誕生だ。思えば、これまで実に長い道のりだった。

 1866年、米国の大学に女子野球部が次々と発足した。だが、若い女性に野球は危険すぎると見なされ程なく解散。20世紀に入ると女性投手が男子セミプロチームに参加。女子プロリーグが誕生したのは、それから40年後のことだった。

 1943年に全米女子プロ野球リーグが結成。第二次世界大戦で大リーガーが戦場へ駆り出される中、野球の灯を守るべく女性たちが男顔負けのプレー。のちに邦題「プリティ・リーグ」(92年)として映画化もされ、大きな反響を呼んだ。

 これを契機に女子野球の機運が高まり、93年に女子プロ野球チーム、シルバーブレッツが誕生。史上初めて男子のプロ野球チームと対戦し、大きな話題を集めた。97年には米独立リーグにアイラ・ボーダースという初の女性投手も登場した。

 一方で、90年レッドソックスのエレイン・ウェディントン・ステュワードが初の女性GM補佐に就任。続いて、98年ヤンキースのアングが当時史上最年少29歳でGM補佐に昇格。いよいよ、球団管理職にも女性が登用される時代となった。

 2015年以降アスレチックスのジャスティン・シーガル、ヤ軍傘下のレイチェル・バルコベックと女性コーチも次々に誕生。今年はジャイアンツでアリッサ・ナッキンが初の常勤女性コーチとなり、練習試合で一塁コーチも務めた。

 こうした時代の流れに乗って、マ軍の編成部門トップにアングが就任。東アジア系米国人初のGMでもある。ヤ軍時代からデレク・ジーター最高経営責任者との関係は長く、同氏も豊かな知識と常勝ヤ軍での経験を高く評価している。

 50年近く大リーグを見続けてきた私にとって、初の黒人選手や監督、GMが誕生したときに匹敵するぐらいだ。野球少女たちに大きな夢を与える初女性GMの誕生は歴史的偉業であり、最大の喜びを感じる。(大リーグ評論家・福島良一)

関連ニュース