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【小林至教授のよくわかる「パ高セ低」】8軍制のMLBに対して日本は… ドラフトで“当たり”は至難の業 ソフトバンク強さの原動力は“3軍育ち” (1/2ページ)

⇒(1)セ・パの差は「切磋琢磨」競争環境の違い

 私がソフトバンクの編成担当として参加していたドラフト会議で例年、指名選手が読み上げられると、他球団のテーブルからしばしば苦笑が漏れていた球団があった。当事者たちにも自覚があるはずだが、ベイスターズとタイガースだ。

 縁故と社内政治の末なのだろうと球界の誰もが思っていたが、仰天指名は中長期的にそのツケを払うことになる。パ・リーグにそんな球団がないことも、セ・リーグとの差が生じる一因だろう。ベイスターズは2011年にDeNAが買収以降、だいぶ改善されてきたが、タイガースは改革を試みた(ように見える)金本前監督が退陣し、相変わらずである。

 そもそもドラフトで、“当たり”の選手を確保するのは至難の業だ。新人の発掘力、目利きは各球団とも大差なく、現行方式では指名のチャンスも平等になっている。そして野球という競技は、選手の成長予測が極めて困難なのだ。運の要素が大きく、偶然性に左右される。それなのに、貴重な指名枠をごますりと情実による貸し借りで浪費しては、長いペナントレースを勝ち抜く戦力など到底、そろえられない。

 プロ野球では、兵站戦略が極めて重要である。半年間、毎日のように試合をするリーグ戦方式で戦うため必要な選手数も多く、特に投手は摩耗が激しい。期待の選手が、見込み通りに伸びるかも判然としない。だからこそMLBは、各球団300人以上の選手を抱え、ドラフトで40人、ドミニカ共和国のアカデミーを中心に外国人20-30人、総勢60-70人もの新人を毎年獲得しているのだ。

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